消化器内科では「おなかの病気」の診断と治療を行います。
臓器でいうと、食道・胃・腸・肝臓・胆嚢・胆管・膵臓の病気が対象になります。
現在、日本における死因の第1位は「がん」であり、日本人の2人に1人が「がん」になり、3人に1人が「がん」で亡くなっています。
この「がん」の中でも、胃・大腸・肝臓・膵臓・食道・胆管・胆嚢といった消化器がんの占める割合は高く、がんの部位別死因の上位8位のうち、男性では6つ、女性では5つが消化器がんです。こうした「がん」で命を落とさないようにするためには、早期に発見することが最も重要ですが、最近では内視鏡、超音波、CT、MRIなど各種検査を駆使することによってかなり小さな「がん」も見つかるようになっています。また、ごく早期に「がん」を発見できれば、おなかを切らずに内視鏡や超音波を使って治療することもできます。
「がん」を完全に治療するには多くの場合手術が必要になりますが、消化器内科では、こうした「がん」の進行度を各種検査によって正確に評価し、適切な治療方針を立てます。また、手術をしない場合でも化学療法や様々な補助療法を行い、「がん」の進行を抑えたり、患者さんの苦痛を和らげたりします。
「がん」以外の様々な「おなかの病気」、例えば食道・胃・大腸の炎症や胆石、膵炎、肝炎、肝硬変なども消化器内科でまずは病状を評価して治療方針を検討し、外科手術の対象でない場合には治療も行います。
対象疾患
膵臓
膵癌
一般に膵癌は早期発見が最も難しいといわれていますが、内視鏡の先端に超音波を装着した超音波内視鏡という機械を駆使した早期診断に積極的に取り組んでおり、これまでに極小(1cm以下)の膵癌も発見しています。また、膵癌を含めた膵臓の腫瘤に対する鑑別診断のために、超音波内視鏡を用いた針生検手技を国内でいち早く導入し、現在国内トップクラスの検査実績を有しています。また、術前・進行膵癌に対する化学療法にも積極的に取り組み、治療成績の向上を目指すとともに、癌の痛みを和らげるための超音波内視鏡ガイド下腹腔神経叢ブロックも国内で先駆けて導入し、膵癌の包括的な治療を行っています。
膵のう胞
健康診断で膵臓の嚢胞が発見される機会が増えています。膵臓の嚢胞には放置してよいものと厳重な経過観察、治療が必要なものがあります。各種検査を行って適切な治療方針を判断します。
膵炎
原因の検索、炎症を抑える薬物治療、膵炎に合併する嚢胞・膿瘍・膵石などに対して内視鏡や衝撃波を用いた治療を行っています。
胆嚢・胆管
胆石
胆嚢結石のほとんどは無症状で経過して治療の必要はありませんが、ときに炎症を起こしたり、まれにがんを合併したりすることがあるため、初めてみつかった際には精密検査が必要であり、その後も定期的な検査が必要です。一方、胆管の結石は必ず症状が出るため、見つかった時点で治療が必要になります。現在は内視鏡による治療が標準的に行われていますが、これについても私共は国内トップクラスの治療実績を有し、国内外で指導的な役割を果たしています。他院で治療が難しいとされた結石に対しても最先端の機器・技術を駆使して治療に当たります。
胆嚢ポリープ
健康診断で胆嚢にポリープが発見される機会が増えています。胆嚢ポリープはほとんどが治療を必要としないものですが、なかには治療が必要なものがあります。各種検査を行って適切な治療方針を判断します。
胆嚢・胆管癌
超音波内視鏡や直径3mm程度の胆管用内視鏡(経口胆道鏡)を用いて診断を行っています。また、胆管が腫瘍によって閉塞すると黄疸が起こりますが、内視鏡で胆管にチューブを挿入することによって治療を行っています。また、進行癌に対する化学療法にも積極的に取り組み、治療成績の向上を目指しています。
肝臓
急性期、慢性期の肝機能障害の診断、特に自己免疫性肝疾患(原発性胆汁性肝硬変、自己免疫性肝炎など)の診断と治療、B型肝炎の核酸アナログ治療、C型肝炎のインターフェロン治療、肝癌の治療(肝動脈化学塞栓術、ラジオ波焼灼術)、肝硬変時の脾動脈塞栓術、食道静脈瘤結紮術・硬化療法、腹水濾過濃縮再静注法(CART)、デンバー腹腔静脈シャント、脂肪肝に対する栄養療法などを行っています。
食道・胃・腸
胃食道逆流症(GERD)、胃十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群(IBS)などの消化管疾患全般、ヘリコバクターピロリ菌の除菌治療、内視鏡検査による早期癌の発見と治療(ポリペクトミー、EMR、ESD)、進行癌に対する化学療法などを行っています。
その他
消化器疾患のみならず、開胸・開腹・外科手術が必要とされるような縦隔・胸腔・腹腔内の診断困難な腫瘤・原因不明リンパ節腫脹に対して、超音波内視鏡ガイド下針生検による安全かつ低侵襲な診断を行っています。
診療実績
患者数
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
---|---|---|---|
外来患者数 | 26,648 (15.5%) |
26,988 (1.3%) |
26,074 (-3.5%) |
入院患者数 | 1,783 (6.8%) |
1,787 (0.2%) |
1,816 (1.6%) |
内視鏡検査数
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
---|---|---|---|
総内視鏡検査数 | 7,006 (9.6%) |
6,995 (-0.2%) |
6,906 (-1.3%) |
上部消化管内視鏡検査 | 4,019 | 4,050 | 3,930 |
上部ESD | 76 | 82 | 89 |
下部消化管内視鏡検査 | 2,486 | 2,321 | 2,303 |
下部ESD | 107 | 123 | 124 |
ERCP | 459 | 576 | 703 |
EUS / EUS-FNA | 749 | 842 | 794 |
診療時間
診療受付 8時30分~11時30分
外来担当医表
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再診 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
---|---|---|---|---|---|---|
午前 | 渡邊 彩子◆ | 綱島 弘道 | 土井 晋平 | 松本 光太郎 | 足立 貴子◆ | 交代制 |
午後 | 齋藤 剛 | 辻川 尊之 | 梶山 祐介 (第2・4週) 勝倉 暢洋 菊山 智博 |
苗村 佑太 |
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- ※◆印は女性医師です。
- ※学会等の都合により、急遽予定が変更となる場合がございます。ご了承ください。